現在、RHEL(Red Hat Enterprise Linux)の互換LinuxとしてAlmaLinuxと双璧をなすものとしてRocky Linuxがあります。今回は、そのRocky LinuxをRaspberry Pi 4にインストールしていこうと思います。
参考: 第1回 CentOSからAlmaLinux、Rocky Linuxへ
OpenELAについて
また、Rocky Linuxの場合には2023年8月10日にOpenELA
の設立が公表されている点からも今後の動向が注目されます。
参考: 2023/08/10 CIQ, Oracle and SUSE Create Open Enterprise Linux Association for a Collaborative and Open Future
2023/08/10 のリリースから抜粋
CIQ、Oracle、SUSEは、オープンで無料のソースコードを提供することで、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)と互換性のあるディストリビューションの開発を促進する団体であるOpen Enterprise Linux Association(OpenELA)を設立しました。
Rocky LinuxのメインスポンサーであるCIQと共にOracle、SUSEが参画していることから大きな影響力を持つ可能性があります。
Rocky Linuxのイメージをダウンロード
Rocky Linuxのホームページにあるダウンロードページでは多くの形式のイメージが公開されていますが、ここから「その他のイメージ」のページを参照します。少し下の方を見るとAlternative Architectures (SIG)
があり、そこにRaspberry Pi (aarch64)
のダウンロードリンクが掲載されています。
結果的には、https://dl.rockylinux.org/pub/sig/9/altarch/aarch64/images/
にあるlatest版
としてRocky Linux 9.2のxz
圧縮されているイメージをダウンロードすることが出来ます。同じページにチェックサム
ファイルへのリンクもありますから一緒にダウンロードしておきます。
$ wget https://dl.rockylinux.org/pub/sig/9/altarch/aarch64/images/RockyLinuxRpi_9-latest.img.xz
$ wget https://dl.rockylinux.org/pub/sig/9/altarch/aarch64/images/RockyLinuxRpi_9-latest.img.xz.sha256sum
ダウンロードしたファイルの検証
ダウンロードしたらチェックサムを検証しておきます。Macの場合であれば、次の様にコマンドを実行してダウンロードしたイメージのSHA-256チェックサムを計算します。
$ shasum -a 256 RockyLinuxRpi_9-latest.img.xz
1ba3c7649279ef1b3b48cd2caa3a8b0ce4483accc095ba6f88661f55f8f91138 RockyLinuxRpi_9-latest.img.xz
サイトからダウンロードしたチェックサムファイルにある内容と比較して、正しいことを確認します。
$ cat RockyLinuxRpi_9-latest.img.xz.sha256sum
SHA256 (RockyLinuxRpi_9-latest.img.xz) = 1ba3c7649279ef1b3b48cd2caa3a8b0ce4483accc095ba6f88661f55f8f91138
Raspberry Pi Imagerでイメージをコピー
イメージをダウンロードしたら、Raspberry Pi Imagerでメディアにコピーします。ここでは、64GBのmSDを使っています。
Rocky Linuxの起動
電源を投入して起動したら、ユーザー名: rocky、パスワード: rockylinuxでログインします。
最初は、root
パーティションが2.5GB
しかありませんから領域を拡張します。
$ sudo rootfs-expand
パスワードの更新
まずはユーザーのパスワードを更新しておきます。
$ passwd
ホスト名の設定
現在のままでは、ホスト名がlocalhost
となっていますからホスト名を設定していきます。ここでは、例としてrockylinux
とすることにします。
$ sudo hostnamectl hostname rockylinux
Wi-Fiへの接続
Rocky Linuxでは、NetworkManagerが使用されています。また、今回使用しているイメージはGNOME版ではありませんからCLIでコマンドを使用してWi-FIに接続します。
WiーFiが有効であることを確認します。
$ nmcli radio wifi
enabled
と表示されることを確認します。
接続可能なアクセスポイントを表示します。
$ nmcli dev wifi list
実際に接続するアクセスポイントのSSIDを指定して接続します。
$ sudo nmcli --ask dev wifi connect <SSID>
Password
として接続用のパスワードを聞かれますから、正しく入力してエンターキーを押下します。なお、ここでは日本語キーボードを接続していても英語配列となっている点に注意して下さい。
接続に成功したらip
コマンドを実行して付与されたIPアドレスを確認します。
$ ip a
これでインターネットを利用できるようになりました。
ソフトウェアパッケージの更新
インストールされているソフトウェアパッケージを最新の状態に更新しておきます。Rocky Linuxは、RHEL互換ですからRaspberry Pi OSの様にapt
コマンドではなjくdnf
コマンドを使用します。
$ sudo dnf upgrade -y
しばらくして、更新が完了したらキャッシュなどを削除しておきます。
$ sudo dnf clean all
Rocky Linuxを再起動
$ sudo reboot
まずは、Raspberry Pi 4でRocky Linuxが動くようになりました。