Raspberry Pi 5のUSBブート

USBブートとBOOT_ORDER

Raspberry Pi 5では、EEPROMのBOOT_ORDERが最初から0xf461に設定されているために特別な設定をすることなくUSBブートすることができます。ここで、BOOT_ORDERは次のような意味となっています。

BOOT_ORDER
0x1 SD CARD. SDカードブート
0x2 NETWORK ネットワークブート
0x4 USB MSD USBブート
0x6 NVME PCIe接続のNVMe SSDブート(Raspberry Pi 5)
0xf RESTART BOOT_ORDERの最初から繰返す

このBOOT_ORDERの内容を右端から順に実行します。現在のRaspberry Pi 5での既定値は、0xf461になっていますから、最初にSDカードブートを試行して、次にNVMeブートを試行し、続けてUSBブートを試行します。つまりブート可能なSDカードとUSBが接続されている場合には、SDカードからのブートが優先されます。

BOOT_ORDER Raspberry Pi公式ドキュメント

上記の内容から、BOOT_ORDERox4が含まれていない場合、あるいは他のブート可能な装置が先にある場合には、USBブートされないことになります。

ブート用SSDの作成

Raspberry Pi OSでブート用SSDを作成するのは非常に簡単で、メニューの「アクセサリ」から「SD Card Copier」を選択して実行します。例として、mSD 64GBからブートしてBUFFALO SSD-PSTU3A 500GBにコピーする場合には、次のような画面となります。

SD Card Copierの画面

ここでは、コピー後のSSDに新しいパーティションUUIDを設定するようにチェックを入れています。これで、「Start」ボタンをクリックして実行が終了するのを待ちます。

SSDブートの実行

SSDへのコピーが終了したら、一旦システムを停止しておきます。そして、使用していたmSDを取り外して、SSDだけにした状態で電源を投入します。

ここでRaspberry Pi 5の場合には、5V 5Aを出力できる電源アダプターが必要となります。Raspberry Pi 4の場合には、5V 3Aでしたから、これまでの電源アダプターでは不足してしまいます。

そのため、Raspberry Pi 4で使用している5V 3A対応の電源アダプターを使用している場合には、次のメッセージが表示されて停止してしまいます。

***
USB boot requires high current (5 volt 5 amp) power supply.
To disable this check set usb_max_current_enable=1 in config.txt or
press the power button to temporarily enable usb_max_current_enable
and continue booting.
See https://rptl.io/rpi5-power-supply-info for more information
***

このメッセージを止めるためには、Raspberry Pi 5の電源ボタンを押して先に進めます。

起動時に毎回止まるのを防ぐためには、メッセージに表示されているように/boot/firmware/config.txtファイルにusb_max_current_enable=1の行を追加します。

これで起動時に電源ボタンを押さなくても先に進めることができるようになりました。ただし、起動後のデスクトップには次のようなメッセージが表示されます。

 この電源は5Aを供給できません
周辺装置への電力供給は制限されます

SSDのパフォーマンス

ここで、おおよそのパフォーマンスを知るためにhdparmコマンドを実行してみます。次の内容でコマンドを5回ずつ実行して最高、最低を除いた3回分の値の平均値を取っています。

$ for i in $(seq 5); do sudo hdparm -t /dev/sda2; sleep 5; done
  1. BUFFALO mSD 64GB の場合、80.40MB/sec
  2. Samsung SSD 850 EVO 250GBの場合、256.47MB/sec
  3. BUFFALO SSD-PSTU3A 500GBの場合、328.85MB/sec
  4. BUFFALO SSD-PGM480U3 480GBの場合、346.04MB/sec
  5. WD Blue SN550 500GB + M2.NVMe SSD外付けケースの場合、351.22MB/sec

ただし、上記5.のWD Blueの場合には動作が不安定で突然停止したりしていますので、現状では使うのが危険でした。やはり、5V 5Aの電源が供給できない場合には動作が不安定になる可能性があるということになります。 WD Blueの場合、NVMeとして直接HATに接続した場合も認識できていませんから、今後の対応を待つ必要がありそうです。(2024/02/27 追記)

参考Raspberry Pi 5でのWD Blue SN550対応

しかし、古いSSDを除けばmSDの4倍以上の速度が出ていることになりますから、やはりSSDで使用するつもりでいます。

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