AlmaLinux Raspberry Pi用イメージ 2024年6月25日版
AlmaLinux 「第31回 AlmaLinuxのRaspberry Pi 5対応」として、AlmaLinuxがRaspberry Pi 5に対応したことを書いていますが、その際にはWi-Fiに接続できない問題がありました。
ちょっと忙しくてリポジトリーをチェックできていなかったのですが2024年6月25日付で更新されたイメージが提供されています。現在では、以下のイメージが公開されています。
https://repo.almalinux.org/rpi/9/images/AlmaLinux-9-RaspberryPi-9.4-20240625.aarch64.raw.xz
https://repo.almalinux.org/rpi/9/images/AlmaLinux-9-RaspberryPi-GNOME-9.4-20240625.aarch64.raw.xz
そこで、GNOME版をダウンロードして動かして見ました。
AlmaLinux Raspberry Pi版の起動
ダウンロードしたイメージをRaspberry Pi ImagerでmSDにコピーします。その後、「第3回 Raspberry Pi 4でAlmalinuxのcloud-initを利用」にあるようにユーザー設定とWi-Fiの設定を追加したuser-data
ファイルを用意しておきます。
この状態でmSDをRaspberry Pi 5に装填して電源を投入して起動します。無事にWi-Fiに接続することができました。
これも日本のサイバートラストの方による拡張でしょうか。安心してRaspberry Pi 5でAlmaLinuxを使えるようになって、素晴らしいことです。
Raspberry Pi OSと比較した補足
現在のAlmaLinuxでは、「第9回 AlmaLinuxでRaspberry Pi用のvcgencmdをビルドする」のような作業をしなくてもraspberrypi-userland
としてパッケージが提供されてインストール済みとなっています。ところが、現在のRaspberry Pi OSでは、ビデオドライバーが変更されてtvservice
コマンドが不要になっているのですが、以前の状態のパッケージがインストールされているようです。
また、上記のパッケージによってvcgencmd
を使用することができるのですがRaspberry Pi OSのようには権限設定がされていないために、スーパーユーザーの権限で実行する必要があります。具体的には/dev/vcio
へのアクセス権が必要です。
この対応としては、上記の記事にあるようにしてグループのアクセス権を設定すれば良いのですがAlmaLinuxのバージョンアップに伴って以前は/dev/vchiq
でしたが、現在では/dev/vcio
になっています。
そこで、次のようにコマンドを実行する必要があります。
$ cd /etc/udev/rules.d
$ sudo vi 92-local-vcio-permissions.rules
KERNEL=="vcio",GROUP="video",MODE="0660"
$ ls -l /dev/vcio
crw-------. 1 root root 10, 125 7月 15 21:41 /dev/vcio
$ sudo udevadm trigger /dev/vcio
$ ls -l /dev/vcio
crw-rw----. 1 root video 10, 125 7月 15 22:01 /dev/vcio
$ sudo usermod -aG video alma
上記の実行後に、newgrp
コマンドを実行するか再ログインすることでalma
ユーザーがvcgencmd
を実行できるようになります。
また現在のRaspberry Pi OSでは、confdig.txt
ファイルなどが/boot/firmware
ディレクトリーに配置されていますが、AlmaLinuxでは従来の/boot
ディレクトリーに配置されています。
ただし、Raspberry Pi 4用にarm_boost=1
が追加されていますので、新しいRaspberry Pi 4であれば1.8GHzで動作することができるようになっています。
また、Raspberry Pi 5の場合には、PCIe接続のNVMe M.2 SSDも使用できていますから、以前であればパソコンを使用していたような感触で快適にRaspberry Pi 5上のAlmaLinuxを使えるようになっていることも素晴らしいことです。