Raspberry Pi でAlmaLinuxを使えるようになりましたが、日本語キーボードを接続していても英語配列のままで使い難かったりタイムスタンプもUTCになっていたりします。
そこで、日本語化していこうと思いますが、まだAlmaLinuxをデスクトップ化していませんのでCUIで日本語化していきます。
日本語ロケールの設定
まずロケールを日本語に設定します。現在は、次の状態となっています。
$ localectl
System Locale: LANG=C.utf8
VC Keymap: us
X11 Layout: (unset)
日本語ロケールを設定するために、日本語パッケージをインストールします。ここでは、日本語用のフォントなども追加するためにglibc-langpack-ja
と一緒にlangpacks-ja
もインストールしています。
$ sudo dnf install -y glibc-langpack-ja langpacks-ja
日本語パッケージをインストールしたら、日本語ロケールに設定します。
$ sudo localectl set-locale LANG=ja_JP.utf8
設定後の状態を確認してみます。
$ localectl
System Locale: LANG=ja_JP.utf8
VC Keymap: us
X11 Layout: (unset)
システムロケールが日本語になりました。
日本語キーボード配列の設定
日本語ロケールになりましたが、キーボード配列は英語のままになっています。そこで、日本語キーボード用に設定していきます。まず、用意されている日本語用のキーボード配列を確認しておきます。
$ localectl list-keymaps | grep jp
jp
jp-OADG109A
jp-dvorak
jp-kana86
いくつかの種類が表示されていますが、ここではjp
に設定することにします。
$ sudo localectl set-keymap jp
状態を確認してみます。
$ localectl
System Locale: LANG=ja_JP.utf8
VC Keymap: jp
X11 Layout: (unset)
タイムゾーンの設定
日本語ロケールになりましたが、タイムゾーンがUTC
のままになっています。
$ date
2023年 8月 11日 金曜日 01:16:22 UTC
$ timedatectl
Local time: 金 2023-08-11 01:16:26 UTC
Universal time: 金 2023-08-11 01:16:26 UTC
RTC time: n/a
Time zone: UTC (UTC, +0000)
System clock synchronized: yes
NTP service: active
RTC in local TZ: no
このタイムゾーンを日本用にAsia/Tokyo
として設定します。
$ sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
設定後の内容を確認してみます。
$ date
2023年 8月 11日 金曜日 10:16:35 JST
$ timedatectl
Local time: 火 2023-08-11 10:16:38 JST
Universal time: 火 2023-08-11 01:16:38 UTC
RTC time: n/a
Time zone: Asia/Tokyo (JST, +0900)
System clock synchronized: yes
NTP service: active
RTC in local TZ: no
これで、AlmaLinuxを日本語環境で使用できるようになりました。
cloud-initでの日本語化
「第3回 Raspberry Pi 4でAlmaLinuxのcloud-initを利用」では、cloud-init
を使ったインストールを紹介していますが、cloud-init
で日本語化を実行することもできます。
この場合には、boot
パーティションにあるuser-data
に次のような内容を追加します。
#cloud-config
locale: ja_JP.utf8
timezone: Asia/Tokyo
注:ここでは、#cloud-config
の行を記載していますが、この行はuser-data
ファイルの先頭だけにあれば大丈夫です。
これでキーボードも日本語配列になりますから、日本語キーボードを使用することができます。これだけでも日本語キーボードを接続して利用できるようになりますから便利です。
ただし、cloud-init
の場合には、まだ日本語フォントの設定などをしていませんので日本語パッケージを追加インストールします。
cloud-initの場合に日本語パッケージのインストール
Raspberry Pi 4にインストールするAlmaLinuxのcloud-init
でWi-Fiの接続ができていれば、cloud-init
のpackage_upgrade:
やpackages:
を使って日本語パッケージをインストールすることができるのですが、ここでは起動後にdnf
コマンドを使用してインストールしていくものとします。
AlmaLinuxのインストール後にパッケージを更新していない場合には、最新の状態に更新しておきます。
$ sudo dnf upgrade -y
日本語フォントなどを含むパッケージを追加でインストールします。
$ sudo dnf install -y glibc-langpack-ja langpacks-ja
これでAlmaLinuxのCUI環境でも日本語を表示して使えるようになりました。
cloud-initでのパッケージ更新とインストール
今後、もしcloud-init
のnetwork-config
でRaspberry piのWi-Fi接続ができるようになれば次のような設定を追加することで、パッケージの更新と日本語パッケージのインストールを実行することができるようになるはずです。
#cloud-config
pakage_upgrade: true
packages:
- glibc-langpack-ja
- langpacks-ja
しかし、インストールされているすべてのパッケージを更新するためには相応の時間が必要となりますから、現在のままでパッケージの更新とインストールは、起動後に手動で実行する方が安心かも知れません。
以上で、Raspberry Pi 4にインストールしたAlmaLinuxで日本語環境を利用できるようになりました。