topコマンドとhtopコマンド
AlmaLinuxには、top
コマンドとしてCUIでプロセスの稼働状況などを表示するコマンドがあります。このtop系列のコマンドにも色々とあるのですが、今回はhtop
コマンドを紹介していきたいと思います。
上記の上段がtop
コマンドでの表示で、下段がhtop
コマンドの表示となっています。このように、画面もhtop
の方がすっきりとして、またカラー表示も見易くなっています。
上記は、いずれもRaspberry Pi 4Bのメモリー8GBモデルでAlmaLinuxを実行していて、swapを4GBに設定している状態です。
htopコマンドのインストール
htop
コマンドは、EPELで提供されていますからEPELが設定されていればdnf
コマンドでインストールすることが出来ます。
それではインストールして見ましょう。
$ sudo dnf install -y htop
これだけで、コマンドプロンプトからhtop
と入力すれば実行することが出来ます。
$ htop
画面上でh
をタイプする、またはF1
キー、さらにはマウスでF1 Help
の箇所をクリックするのいずれかで、ヘルプを表示することが出来ます。
上記の例では端末画面を80桁 x 31行として表示しています。
htopの操作
ヘルプ画面を見ても、ファンクションキー、またはアルファベット1文字およびマウスを使用することで非常に多くの操作がk可能となっています。
プロセス表示のスクロール
矢印キーを使用して、プロセスの表示を上下左右に移動することが出来ます。上下に移動することで狭い画面でも、全てのプロセスを確認したり、左右に移動することでプロセスのコマンド文字列を確認したりすることが出来ます。
プロセスの終了
ファンクションキーのF9
またはk
をタイプすることで、上下矢印キーで選択したプロセスを終了することが出来ます。確認画面で、ENTER
を押下することでSIGTERM
あるいは、その他のシグナルを選択して送信することが出来ます。
プロセス表示のソート
画面で、N
、P
、M
.T
を押下することで、それぞれPIDでのソート、CPU使用率でのソート、メモリー使用率でのソート、時間でのソートを実行することが出来ます。
htopの設定
ファンクションキーのF2
またはC
を押下することで、設定画面を表示して表示項目を変更したり、レイアウトを変更したり、色のテーマを変更したりすることが出来ます。
設定後は、F10
を押下することで設定ファイルに保存されます。
設定ファイルは、$HOME/.config/htop
ディレクトリーのhtoprc
というファイルに保存されますから、次回以降は同じ設定で実行することが出来ます。このhtoprc
ファイルを削除すれば、設定が解除されます。
プロセスが開いているファイルを見る
画面で、l
をタイプするとプロセスが開いているファイルを見ることが出来ます。ただし、AlmaLinuxではそのために使用しているlsof
コマンドがインストールされていませんから、これをインストールしておく必要があります。
$ sudo dnf install -y lsof
プロセスが実行しているシステムコールのトレース
上下矢印キーでプロセスを選択してから、s
を押下することでプロセスが実行しているシステムコールを表示することが出来ます。
その他にも多くの操作が可能になっていますから、ヘルプ等を参照してみて下さい。
htopコマンドのビルド
ここでは、htop
コマンドのパッケージをdnf
でインストールして使って来ましたが、GitHubでも公開されていますから、クローンしてビルドしてみることにします。
次のようにしてソースをクローンします。
$ git clone https://github.com/htop-dev/htop.git
ここで、「第9回 AlmaLinuxでRaspberry Pi用のvcgencmdをビルドする」で見たように既にDevelopment Tools
のグループがインストールされている場合には、次のパッケージを追加でインストールします。
$ sudo dnf install -y ncurses-devel
それでは、次の手順でビルドします。
$ cd htop
$ ./autogen.sh
$ ./configure
$ make
ビルドできましたら、インストールします。
$ sudo make install
インストールした結果、/usr/local/bin/htop
として登録されました。
$ which htop
/usr/local/bin/htop
$ htop --version
htop 3.2.2
今回ビルドしてインストールしたバージョンは、3.2.2
となっています。
念のためにパッケージの方も確認して見ましょう。
$ dnf info htop
インストール済みパッケージ
名前 : htop
バージョン : 3.2.2
リリース : 1.el9
Arch : aarch64
サイズ : 424 k
ソース : htop-3.2.2-1.el9.src.rpm
リポジトリー : @System
repo から : epel
概要 : Interactive process viewer
URL : http://hisham.hm/htop/
ライセンス : GPLv2+
説明 : htop is an interactive text-mode process viewer for Linux,
: similar to top(1).
実は、最初に見たヘルプ画面でもバージョンが表示されていたのですが、AlmaLinuxの更新が早いために今回はGitHubからクローンしてビルドしたhtop
と同じバージョンになっていました。
ちなみにRaspberry Pi OSの方のhtop
は、現時点で3.0.5
となっていました。
以上となりますが、htop
はCUIでプロセス状況を監視して操作するためには非常に便利なコマンドですから、試してみてはいかがでしょうか。