注: 2023/08/25 GitHubのneofetchのURLがタイプミスしていましたので修正しました。
EPELについて
Raspberry PiにインストールしたAlmaLinuxにパッケージをインストールする際には、AlmaLinuxの公式リポジトリーからRHEL互換のパッケージを入手しています。
ところがRHELのパッケージとして正式に取り込まれる前に、Fedoraプロジェクトで開発されている数多くのパッケージがあります。Fedoraプロジェクトは、Red Hat社が後援していて、各パッケージのアップストリームからリリースされた新しいバージョンを取り入れたり、先進的・実験的な機能を搭載するために開発されています。
このFedoraプロジェクトから取り込まれた、Enterprise用の多くの高品質なパッケージ用のリポジトリーが、EPEL(Extra Packages for Enterprise Linux)として公開されています。
ユーザーの眼から見れば、先進的で有用な多くのパッケージがありますが、RHELに正式に取り込まれているわけではない点から、企業での使用などではポリシー上使えない可能性があったりもします。
ここではAlmaLinuxに、このEPELのリポジトリーを追加していくことにします。
EPELリポジトリーの追加
AlmaLinuxに、EPEL用のリポジトリーを追加するには次のコマンドを実行します。
$ sudo dnf install -y epel-release
neofetchについて
EPELの一例として、bashスクリプトで実装されたCUIでシステム情報を表示するコマンドであるneofetch
があります。
このneofetch
もEPELとして公開されていますので、EPEL用のリポジトリーを追加してからインストールすることができます。
$ sudo dnf install -y neofetch
neofetch
コマンドが/usr/bin
ディレクトリーにインストールされます。
次のように実行することが出来ます。
$ /usr/bin/neofetch
表示されている内容を見ると、Raspberry Pi 4B Rev 1.4の8GBモデルで、AlmaLinux 9.2を実行していることなどがわかります。
画面の左側にASCIIアートでペンギンのロゴが表示されていますが、実はneofetch
コマンドでは各ディストリビューションのロゴが表示されるようになっています。それがAlmaLinuxのロゴではなくて、ペンギンになっているのはAlmaLinuxに対応できていないものと思われます。
neofetchをGitHubからインストール
neofetch
はGitHubで最新版が公開されていますから、それをクローンしてインストールしてみます。
$ git clone https://github.com/dylanaraps/neofetch.git
$ cd neofetch
$ sudo cp neofetch /usr/local/bin
インストールしたneofetch
を実行してみます。先ほどdnf
コマンドでインストールしたneofetch
は/usr/bin
ディレクトリーにインストールされていて、今回GitHubからクローンしたneofetch
は/usr/local/bin
ディレクトリーにインストールしています。
したがって、シェルプロンプトでneofetch
とタイプした場合には、PATH
環境変数の指定によってどちらが実行されるかが決まる点に注意して下さい。
それでは、GitHubからインストールしたneofetch
を実行してみます。
$ neofetch
先ほど実行したパッケージのneofetch
と同じ情報が表示されていますが、左側のロゴがAlmaLinuxのものになっていることと、色の使い方が少し変わっています。
このようにneofetch
は、簡単にシステム情報を表示することが出来て便利なコマンドの一つです。
neofetchの様々なオプション
このneofetch
コマンドには、--help
オプションやマニュアすで参照出来る様々なオプションが用意されています、また--config
オプションを使用して設定ファイルを使用することも出来ます。システム情報を選択して表示する際にも便利なコマンドですから、これらの使い方を参照してみるのも良いでしょう。
$ neofetch --help
まとめ
今回は、EPELとして追加で利用できるパッケージ用のリポジトリーと、EPELからインストールすることのできるneofetch
コマンドについて紹介して来ました。
参考: アップストリームとダウンストリームとは何か? MIRACLE LINUX
2023/01/03 FedoraとRed Hat Enterprise Linuxの違い Red Hat公式ドキュメント