Raspberry Pi用のRaspberry Pi OSですが、待望久しい64bit版が正式に公開されました。2020年の5月に初めてのベータ版が公開されてから約1年8ヶ月のテスト期間を経ての公開ということになります。
Raspberry Pi Foundationから2月2日付で公開されているニュース記事でも、「互換性が重要であるが多くのクローズドソースのアプリケーションはarm64でのみ利用可能であること」、「32bit版のOSでは4GBのメモリしかアドレス指定できないこと」の2点が挙げられて64bit版の公開に至ったとされています。これで、Raspberry Pi 4で拡張されたメモリーを有効利用できることになります。
また先のニュース記事では、デフォルトのブラウザーであるChromiumが64bit版の場合には、「WidevineCDMライブラリのバージョンがないため、NetflixやDisney+などのストリーミングメディアを再生することはできません」とされています。
そこで、代わりに32bit版を使用するためには次のコマンドを実行することとされています。
$ sudo apt install chromium-browser:armhf libwidevinecdm0
逆に64bit版に戻すためには、次のコマンドを実行します。
$ sudo apt install chromium-browser:arm64 libwidevinecdm0-
実際に試してみたところ、Chromiumを32bit版にすることで64bit版では出来なかったストリーミングビデオの再生をすることができています。
Raspberry Pi OS 64bit版をimagerを使ってmSDを作成する際には、あらかじめダウンロードしておいたファイルを「Use custom」で指定しても良いのですが、現在では「Raspberry Pi OS (other)」から入ったメニューで「Raspberry Pi OS (64-bit)」または「Raspberry Pi OS Lite (64-bit)」のいずれかを選択することができます。
このRaspberry Pi OS 64bit版の正式公開により、さらにRaspberry Piの用途が広がっていくのかも知れません。とにかく、大変に嬉しいニュースです!
参考: 2022/02/02 Raspberry Pi OS (64-bit) Raspberry Pi News
Raspberry Pi Operating system images (ダウンロードページ)