これまで、2回にわたってDockerとGo言語をインストールしてきました、今回はRaspberry Pi上のAlmaLinuxとRocky LinuxにRustをインストールしていきたいと思います。
AlmaLinuxもRocky LinuxもRHEL互換として同じ手順になりますから、まとめたものとしています。
Rustのインストール
Rustはrustupというツールを使用してインストール、管理することができます。インストールは、非常に簡単で次のコマンドを実行するだけです
$ curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh -s -- -y
ここでは、オプションを使って途中で表示される確認に自動的にyで応答しています。
正常に実行すると、最後に次のようなメッセージが表示されます。
Rust is installed now. Great!
To get started you may need to restart your current shell.
This would reload your PATH environment variable to include
Cargo's bin directory ($HOME/.cargo/bin).
To configure your current shell, run:
source "$HOME/.cargo/env"
最後のメッセージにもあるように、$HOME/.bashrcと$HOME/.bash_profileの最後に次の行が追加されます。
. "$HOME/.cargo/env"
そこで、$HOME/.bashrcを読み込むことで実行できるようになっています。あるいは、ログインし直すことで、自動的に読み込まれます。
$ source $HOME/.bashrc
これで、Rustのツールチェーンと呼ばれるrustc、cargo、rustupなどを実行できるようになります。
これらのコマンドは、$HOME/cargo/binディレクトリーにインストールされています。
$ rustc --version
rustc 1.72.1 (d5c2e9c34 2023-09-13)
今回は、バージョン1.72.1がインストールされました。
cargo-editのインストール
すでにRustを使用できるようになっていますが、より便利に使うことのできるcargo addなども使えるようにcargo-editをインストールします。ここでは、cargoコマンドでインストールします。
$ cargo install cargo-edit
cargo-makeのインストール
同様に便利なツールであるcargo-makeをインストールします。cargo-makeは、GitHubからクローンしてcargoコマンドを実行してインストールします。
$ git clone https://github.com/sagiegurari/cargo-make.git
$ cd cargo-make
$ cargo install --force cargo-make
インストールできたらバージョンを表示してみます。
$ cargo make --version
cargo-make 0.37.2
現在のバージョンは、0.37.2でした。GitHub上で新しいバージョンが公開された場合には、クローンして再度インストールします。
$ cd cargo-make
$ git pull
$ cargo install --force cargo-make
Hello Worldの実行
Rustをインストールできましたから、hello-worldを作成して実行してみます。Rustでは、cargoコマンドでプロジェクトを作成してビルド、実行することが出来ます。
$ cargo new hello-world
これでhello-worldプロジェクトが作成されて、srcディレクトリーにサンプルのmain.rsファイルが作成されています。
$ tree hello-world/
hello-world/
├── Cargo.toml
└── src
└── main.rs
1 directory, 2 files
Cargo.tomlファイルは、依存関係などを記述するファイルです。作成されたmain.rsファイルの内容を見てみます。
$ cat hello-world/src/main.rs
fn main() {
println!("Hello, world!");
}
ビルドして実行してみます。
$ cd hello-world
$ cargo run
Compiling hello-world v0.1.0 (/home/alma/.cargo/src/hello-world)
Finished dev [unoptimized + debuginfo] target(s) in 1.91s
Running `target/debug/hello-world`
Hello, world!
無事にHello, world!の文字列が表示されました。
Rustのアップグレード
随時更新されているRustをアップグレードするためには、rustup updateを実行します。
$ rustup update
Rustのアンインストール
Rustをアンインストールする際には、次のコマンドを実行します。
$ rustup self uninstall
確認メッセージにyで応答することでアンインストールが実行されます。
その結果、$HOME/.cargoディレクトリー以下がすべて削除されて、$HOME/.bashrcと$HOME/.bash_profileに追加されていた行も削除されます。
参考: Rustプログラミング言語